島根県・石見益田で 、100年後も変わらずにお醤油をつくり続けたい



はじめまして、大賀香榮です。

丸新醤油醸造元は、島根県の西部・石見(いわみ)地方の益田という場所で、父であり代表を務める大賀進と、母と私の親子三人を中心にお醤油をつくっています。

 

 

大正6年の創業から、私どもがお醤油をつくりはじめて、もうすぐ100年が経とうとしています。

 

創業者 大賀利吉

 

昭和20~30年ころの醤油蔵の風景


 

醤油蔵は、石見地方伝統の赤瓦で覆われ、今は使われなくなった煉瓦煙突が、創業した100年前と変わらずにそびえ立っています。



また、丸新醤油は自分たちで栽培した原料を使ってお醤油づくりをしており、原料となる大豆・小麦畑が、醤油蔵を囲むように広がっています。私たちのお醤油は、目のゆき届く範囲の中でつくられ、石見益田の空気をゆっくりと染み込ませながら、時間をかけて熟成していきます。


毎日使われるお醤油だからこそ、自らの手で育てた原料を


 

丸新醤油では、「私たちの醤油づくりは土づくりからはじまる」をモットーに、原料となる大豆・小麦の自家栽培を行っています。これは、父であり、弊社代表を務める大賀進の強い意志で実現されました。


 

日本中に醤油蔵多しといえども、原料から自家栽培してお醤油をつくっている蔵を私は他に知りません。


お醤油は毎日使われる調味料です。

食品から身体に取り込まれるもののうち、本来不必要なものは生態系の中で排出されず、体内に蓄積されてしまいます。 お母さんが身体に取り込んだものは、濃縮されてその赤ちゃんに引き継がれていきます。私たちは毎日使われるお醤油を通じて、お子さんやお孫さん、100年後のご家族にも安心して楽しんでいただける商品をつくっていくことを目標にしています。

 

顔の見える原料でつくる醤油づくり

 

現在、醤油の原料となる大豆と小麦はそのほとんどが外国産です。

 

※引用:「醤油の都道府県別原料使用量の推移農林水産省総合食料局資料より(2005年)」より

※解説:醤油に使われる大豆原料は「丸大豆」と「脱脂加工大豆」に分かれます。

脱脂加工大豆は食用油へ利用するために油を取り除かれた大豆で、丸大豆はそのままの大豆です。丸大豆という品種等があるわけではなく脱脂加工大豆と区別する意味で使われています。


外国産のものが一概に良くないとは申しません。

しかし、1998年に遺伝子組み換え作物の輸入が本格化したことをきっかけに、お醤油の原料について、また自分たちがどういう商品をお客様にお届けしていきたいかについて、改めてよく考える機会となりました。


私たちはこれから先も変わらず、自分たちのお醤油を心から人におすすめできるだろうか?


その時に決めたことは、遺伝子組み換え食品や外国産食品が危険だと感じる事以上に、自分たちが責任のもてる醤油づくりを行いたいという事です。

 


 

外国産にしろ、国産にしろ、原料となる大豆と小麦を生産した人の顔、考え方や信念を感じるものを使いたい。100%自信を持っておすすめできるお醤油をつくるために、それ以降、原料の自家栽培を開始しました。


お醤油のためにつくられた大豆と小麦で、理想の醤油づくり

 




 

原料を自家栽培することの利点は、安心面だけではありません。醤油づくりのすべてを一貫して管理することができるようになったことで、より自分たちが理想とする醤油づくりがやりやすくなりました。

例えば、現在この地域で栽培されている大豆のほとんどは水田での転作を目的とした転作栽培やお豆腐などの原料を目的としたものが主で、お醤油の原料づくりを念頭に置いて栽培されている大豆はほとんど見受けられません。

私たちは、当然醤油づくりを目的として栽培するので、最適な大豆栽培が可能です。


より醤油造りに適した特性を持つ中から、私どもの蔵がある島根益田の気候にあったものを選んで大豆も小麦も栽培しています。

自家栽培だからこそ、醤油づくりに特化した原料づくりを行うことができています。


最長5年の発酵期間に、蔵を囲む風景がお醤油に染みこむ


 

出来上がった大豆と小麦をもとにした3日間の麹造りを経て、醤油づくりは3~5年をかけた長い長い熟成期間にはいります。

 

 

熟成は大手メーカー市販品で4~6ケ月、一般的な醤油蔵さんでも1~3年。

丸新醤油では長い熟成期間と共に諸味のブレンドを行う事で旨味と円味を出すことを心がけています。




この長い熟成期間の中で、醤油蔵を取り囲む畑の土やそこに吹く風、大豆や小麦の香り、その土地で産した原料をその土地の方法で、そして土地の気候で醸す事で、石見益田の風景がゆっくりとゆっくりと、お醤油に染みこんでいきます。

 

100年後に繋げたい、醤油蔵を取り囲む風景と新しい環境づくり

 

私は、自分が生まれ育った石見地方益田、赤瓦や煙突のあるこの醤油蔵を取り囲む景色が大好きです。100年後も、この匂いの中でつくられたお醤油を次の世代に味わってもらいたいと考えています。

 

100年後も残したい風景その1.煉瓦煙突

 

 

 

丸新醤油のシンボルマークとなっている煉瓦煙突です。今は現役引退していますが、その存在感は100年経った今も変わりません。でもそろそろ倒れそうです。もし倒れると、弊社代表の大賀進の寝室直撃です。

 

100年後も残したい風景その2.石見地方伝統の赤瓦屋根

 

 

丸新醤油がある石見地方は独特の赤褐色をもつ石州瓦でよく知られています。丸新醤油の醤油蔵も石州瓦が屋根に敷き詰められています。出張から戻る飛行機の窓から、石州瓦が使われた赤屋根の家屋が広がる眺めを見ると、お家に帰ってきたなぁと強く思います。

 

100年後も残したい風景その3.醤油蔵を取り囲む大豆・小麦畑 

 

 

醤油蔵の周りに広がる自家栽培の大豆・小麦畑ですが、水路がところどころ補修が必要になってきていますが、まだまだ大切に活用していければと思っています。

 

 

また、皆さまとのコミュニケーションの場として会員組織「丸新百年倶楽部」を運営しています。丸新百年倶楽部は、皆さんに改めて“食べる”ということを考えていただくきっかけの場になればと考えています。


私たちの身体は、爪先から髪の1本まで自分が食べたものだけでできあがっていますが、私ども丸新醤油では、食べることには身体を作るという以上の意味が含まれていると思っています。


食べることは、人が生きていくことの根幹です。

今回立ち上げる丸新醤油倶楽部を通じて、食べることにこう向き合ったらどうか、こうあって欲しい、という私たちの考えを共有する場としていければ幸いです。


会員の皆さまには、私どもの商品のお届けはもちろんですが、上記のようなきっかけを感じていただけるものも特典として随時お送りできればと考えております。また丸新醤油の近況やレシピ情報、イベント開催情報の提供をはじめ、何よりも遠方のお客様とのコミュニケーションの場になることを期待しています。

 

弊社を応援してくださる皆さまからのお力添えをいただき、ぜひ100年後も同じ景色を残していければ幸いです。

 

どうぞ末永く、丸新醤油醸造元をよろしくお願いします。